2013年05月14日

「LOVE展」六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展

http://www.mori.art.museum/contents/love/

六本木ヒルズの森美術館では10周年の記念展覧会「LOVE展」を開催中。時間の経つのが早く感じる今日この頃だが、森美術館については「もう10年」というより「まだ10年」だったのか、という印象だ。六本木ヒルズはグローバル化する都市の再開発の走りで、地域を巻き込んだ面的な開発事業を行い、美術館を地域のシンボル的な場所と位置づけ、高層ビルの最上階で展望デッキとの組み合わせで人気も高く、集客力の高さを誇っている。「まだ10年」という私の印象は逆に言うとコンテンポラリーアートを定例的に見せる美術館がそれ以前には存在していなかったことへの驚きでもある。

今回の展覧会は「愛」をテーマに世界中から現代美術を中心に、美術史を飾る名作やこの展覧会のために作られた新作などを含む約200点の作品を展示している。ロバート・インディアナLOVEの文字をイコン化した油彩画や、ハートマークを使ったジム・ダインの立体作品から、シュールリアリズムの作品群。草間弥生の鏡部屋のインスタレーションやその他写真や映像作品、そしてハイテクを駆使した作品など、多岐に及んでいる。よくこれだけ粒ぞろいの作品を集めたものだと感心する。さすがに資本力と政治力ともに大したものである。特にコンテンポラリーアートに興味がない人でも十分に楽しめる展覧会だと思うのでお勧めです。

日本では一民間企業が美術館を運営するというスタイルが一般化されているが、森美術館はコンテンポラリーアートに特化しているという点で、70年代の西武美術館以来のことであり、それは日本の公益美術館が西欧有名美術館のコレクション展を相も変わらず展開していることへの対極を成していると言えるだろう。しかしながら一企業がプロモートするコンテンポラリーアートは本来の意味で現代美術が有している多様性には十分に答えられない可能性がある。美術館の背後にいる企業イメージのブランド化が目的である以上、選択する作品の限定を余儀なくされるからだ。やはり企業原理や公の権威に左右されない独立性の高い市民社会的アートスペースの創造が望まれるところである。
posted by ミツオ at 14:58| Comment(0) | 日記